アスレティックトレーニング備忘録

米公認アスレティックトレーナーがスポーツ傷害、リハビリ、トレーニングなどについて不定期で書いてます。

ATC取得へ まとめ編

こんにちは。イマザキです。

 

今回も前回、前々回に引き続きATC取得に向けてのアメリカでの大学院進学に向けてのアドバイスを書いていこうと思います。

 

前回までの復習になりますが、現行制度ではこれからATCを取得しようと思っている方はアメリカの大学院で認定プログラムを修了する必要があります。この大学院に進学するにあたって主に以下のような手順を踏みます。

 

学校探し


願書提出・面接等・合格発表


I-20取得・ビザ取得

 

学校探し、願書提出などに関しては前回、前々回の記事をご参考ください。

zaki-at.hatenablog.com

zaki-at.hatenablog.com

 

 

1、I-20取得、ビザ取得
さて気に入った学校を探し当て、TOEFL等のテストのスコアもきっちり満たし、面接を乗り越え無事合格に辿りつけたら今度は学生ビザを取得する必要があります。

 

学生ビザですが、オンラインで申請したのちにアメリカ大使館もしくは領事館で面接をした後に発行になります。全部で3か月ほどかかる為、プログラムへの合格発表の連絡が来たらすぐに行動に移りましょう。(余談ですが僕は手続きをダラダラやっていたため、面接をしたのが渡航の約2週間前、手元にパスポートとビザが届いたのが渡航の数日前というギリギリのスケジュールでした。汗)

 

おそらく準備する書類の中で一番面倒くさいのがI-20になります。I-20とは入学許可証のことで、これは進学先の学校(主にInternational Office)にお願いして発行してもらいます。このI-20の発行の際に一番ネックになるのが残高証明書を学校側に提出しなければいけない点です。これはその留学生がきちんと学費を払っていけますよという事を示すためです。もしご両親に学費を援助してもらう予定でいるのであれば、早めにいつごろまでこの残高証明書が必要かを伝えておいたほうが良いでしょう。

 

当ブログは留学ブログではなく、あくまでアスレティックトレーニングなどに関するブログですので他の細かいビザの取得方法などに関しては他に譲ろうと思います。下のリンクは米国大使館のwebサイトで、ここから申請等が出来るようになっています。

 

また多くの方がビザの申請に関してはブログ等で解説されている為そちらも参考にしてもらえればと思います。

 

無事学生ビザを取得できれば後は渡米するだけです。ここから2年間のATプログラムを無事終了し、BOS試験を無事突破できれば晴れてBOC公認アスレティックトレーナーになることができます。

 

2、ATプログラム開始前の他のルート
前々回から始まって今回まで大学卒業からすぐATCプログラムに入る為の道筋を解説してきました。今回はおまけとしてほかのパターンも紹介しようと思います。(おまけと言いながら分量はこっちがメインです)

 

2-1、留学斡旋団体を使うパターン
現在アメリカ留学にあたって様々な斡旋団体がサポートを行っています。このサポート内容は様々ですが、入学手続きの代行、現地でのサポートなどが含まれることが多いのかなと思います。留学斡旋団体のメリット、デメリットとして以下のようなことが挙げられます。

 

メリット

  • 入学手続き、ビザの申請手続き等を代行してくれる。
  • 現地の日本人スタッフの方が困った際に助けてくれる。

 

デメリット

  • 行ける学校の選択肢が限られてくる。
  • 料金が割高である。
  • 決まりごとが多く煩わしいことがある。

 

斡旋団体を利用するメリットは様々な手続きを確実に行えることと、現地に日本人スタッフがいることが多いので初めての海外留学の方でも心強い点が挙げられます。とはいうものの現地では自然と日本人同士のコミュニティというのは出来るので大きな心配はいらないと思います。

 

アスレティックトレーナーになろうとしている学生が斡旋団体を利用する際の最大のデメリットは行ける大学が限られる事だと思います。ほとんどの斡旋団体はアメリカ国内に提携校を複数持っており、その中から生徒が選ぶという形をとっています。ビジネスやエンジニアリングなどと違い、アスレティックトレーニングはどこの大学院にもあるわけではないのでおのずと行ける大学が限られています。

 

2-2、語学学校に通うパターン
アメリカでATプログラムを取りたいけど、語学力に不安がある、またはTOEFLのスコアが足りないという方は現地の語学学校に通うのも一つの手だと思います。

 

ある一定規模以上の大学には英語が母国語ではない人の為の語学スクールがあることがほとんどです。例えば僕が卒業したネブラスカ大学オマハ校ではILUNOというプログラムがありました。こういった語学研修プログラムではレベル別に分かれていることが一般的で、クールを終えるごとに上に上がっていきます。

www.unomaha.edu

 

入学までの手続き等はこれまでに書いた手順と変わりありませんが、大学院への入学ではないのでハードルは大分下がります。どこの大学の語学プログラムに行っても良いとは思いますが、将来の引っ越しなどを考えると自分がATプログラムで行きたい大学の語学プログラムに進むのが一番楽かなと思います。

 

2-3、Prerequisiteのクラスが足りないパターン
前回の記事で、ATプログラム出願にあたって、解剖学や生理学等のPrerequisite classを学部で修了していないといけないとお話ししました。これらの授業を日本で科目等履修生として取ることもできるのですが、せっかくだからアメリカで取りたいという人もいると思います。

 

この足りない授業をアメリカで取る場合、二つ選択肢があります。一つ目はその自分の行きたい大学で取る方法。二つめはコミュニティカレッジで取る方法です。大学で取るメリットとしては、その大学の授業の雰囲気を肌で感じられることと、教授陣とコミュニケーションが取れることです。一方、コミュニティカレッジで取るメリットとしては学費が格段に安いことが挙げられます。

 

また上の二つの組み合わせで、秋学期は語学研修のプログラムに入り、春学期はPrerequisiteの授業を取ったという日本人の方のお話もよく耳にします。

 

3、イマザキの場合
さてここまで偉そうに解説してきたけど、おまえはどうなんだという声にお応えしてイマザキはどうだったかをお話しします。

 

まず、大学4年時の僕は非常に面倒くさがりで(今もですが)あまりリサーチをしませんでした。また自分の周りにアメリカの大学に進学した人もあまりおらず、イマイチどうすればいいか分からない状態でした。

 

当時はまだエントリーレベルのATプログラムがある大学院は20校程度しかなかったので、アメリカの学部に編入してもう一度学位を取ろうと考えていました。そこで留学斡旋団体を訪れ、ネブラスカ大学オマハ校を紹介してもらいました。(ちなみにこの時、限られた選択肢しかなかったので前々回書いた学校選びのポイントなんてほとんど気にしていませんでした。)

 

さていざ渡米して、初めてプログラムディレクターに会った際にもう一度学部生をやるのは時間の無駄だから大学院のプログラムに入るのはどうかと進められました。幸運にもネブラスカ大学オマハ校はエントリーレベルのATプログラムが当時から存在していたのです。とは言うもの大学院のプログラムはすでに始まっているため、次の年のプログラムに出願しなければいけません。また、一つだけPrerequisiteの授業が取れていなかったこともあり、この機会を利用して解剖学や運動生理学などを英語で取り直すことにしました。なので最初の1年間はPrerequisite Classを取りつつ、TOEFLやGRE等、大学院の出願に必要な書類を揃えていました。

 

僕の場合はだいぶ他人任せで来たなと後になって思います。しかし幸運にも、大学はD1だし、クラスの人数は5人だったし、奨学金も出たし、町は程よく都会で物価もそこまで高くなく住みやすい環境と文句なしの環境が揃っていました。ただ他の人の話を聞くとそうでない場所もけっこうあるようなので、これからATCを取得しようと思っている方はリサーチは出来るだけしっかりしたほうが無難だと思います。

 

まとめ
今回は最後のステップであるビザの取得に触れ、さらにおまけとして学部から直接院に行く以外のパターンなどについて説明しました。僕自身を含め、大学院でエントリーレベルのATプログラムを修了された日本人の方は皆さん最初の1年は語学学校なり、学部の授業を取るなりされていた方が多いのではないかというのがこれまでの印象です。

 

今回何個かパターンを挙げたので、自分に合ったパターンが見つかると良いと思います。何か質問があればお答えするので気軽にコメントなり、ツイッターのDMなりを頂ければと思います。

 

それでは。