アスレティックトレーニング備忘録

米公認アスレティックトレーナーがスポーツ傷害、リハビリ、トレーニングなどについて不定期で書いてます。

アスレティックトレーナーってなに?

こんにちは。イマザキです。

 

今回は僕の職業であるアスレティックトレーナーってなにをする人なのかという事をお話ししたいと思います。

 

1、アスレティックトレーナーってなに?

大雑把に言ってしまうと、アスレティックトレーナーとはアスリートのけがの評価、応急処置、リハビリ、練習や試合のカバーなどが主な仕事です。ちなみに日本スポーツ協会のwebページにはアスレティックトレーナーの役割として以下の様に書かれています。

スポーツドクターおよびコーチとの緊密な協力のもとに、競技者の健康管理、外傷・障害予防、スポーツ外傷・障害の救急処置、アスレティックリハビリテーションおよびトレーニング、コンディショニング等にあたる。

 

またアメリカのアスレティックトレーナーの統括団体National Athletic Trainers' Association (NATA) のwebサイトには以下のように記載されています。

Athletic trainers (ATs) are highly qualified, multi-skilled health care professionals who collaborate with physicians to provide preventative services, emergency care, clinical diagnosis, therapeutic intervention and rehabilitation of injuries and medical conditions.
(アスレティックトレーナーとは高度な資格と多様なスキルを持ったヘルスケアプロフェッショナルであり、医師の協力のもと障害予防や応急処置、けがや病気の評価や治療、リハビリ等のサービスを提供するものである) 

 二つとも堅苦しい表現が並んでいますが、初めに書いた様にアスリートのけがの評価、応急処置、リハビリ、練習や試合のカバーをする人とイメージしてもらえると分かりやすいと思います。

 

2、どんなところで働いているの?

ではアスレティックトレーナーてどんなところで働いているのでしょう?一番イメージしやすいのはプロや大学のスポーツチームでしょう。アメリカではほかにも高校や病院、また一般企業などでもアスレティックトレーナーとして働いている方も増えています。NATAの集計によると、大学で働いている人が19%、高校が18%、病院が17%、プロスポーツが2%だそうです。

 

3、じゃあイマザキは何をしているの?

アスレティックトレーナーがどんな職業でどんなところで働いているのか大雑把に紹介してきましたが、ここで僕の仕事を例にしてもう少し具体的に紹介していきたいと思います。

まず職場ですが、僕はアメリカにある大学で働いています。ちなみにアメリカの大学は日本の大学と少し仕組みが違っていて、各大学にAthletic Department (体育局)があり、そこが大学の部活動を統括しています。アスレティックトレーナーである僕も今の大学の体育局に雇われて働いています。

基本的に各大学数人のアスレティックトレーナーを雇っており、ヘッドアスレティックトレーナーが担当のスポーツを割り振ります。僕の場合、アメフトと女子バスケ、そしてソフトボールを担当しています。

 

では具体的な一日の流れを見ていきます。

午前~昼過ぎ:

ケガをした選手がATルーム(アスレティックトレーナーが治療やリハビリを行う部屋)にやってきます。リハビリの指導をしたり、けがの評価をしたり、けがの治療をしたりします。

例えば、選手がひざの痛みを訴えてATルームに来た場合、まず評価をします。仮にジャンパー膝だったとしましょう。評価の後、超音波などを使った治療や、ディクラインスクワットなどのリハビリメニューを処方します。また、医者の診察が必要だと判断した場合はチームドクターに連絡し、予約を入れてもらいます。

このATルームでの仕事は、日本のリハビリクリニックや整骨院なんかをイメージしてもらえる分かりやすいと思います。

 

夕方~夜:

自分の担当しているスポーツの練習のカバーです。アメリカの大学はシーズン制なのでヘッドトレーナーは基本的にシーズンがかぶらないように各アスレティックトレーナーを割り振ります。

まず練習前に選手のテーピングなどを行います。チームやスポーツによってはすごい忙しい時間です。

テーピングや準備が終わっていよいよ練習です。練習中はけがが起きないように注意を払います。また練習中のドリンクの補充などをやることもあります。もしけがが起きた場合、評価を行い必要な応急処置を施します。

練習後は片づけをし、アイシング等が必要な選手にはアイシングをさせます。僕のチームの場合、リカバリーで練習後にアイスバスを用いることもあります。

 

基本的にはこのような感じで一日が終わります。

あくまでこれは僕の例です。職場によって様々だとは思いますが、大学で働いているアスレティックトレーナーの方々は似たようなスケジュールになるんじゃないかなと思います。

 

まとめ

いかがでしたか。アスレティックトレーナーという職業のイメージが少しでも具体的になってもらえたらと思います。また今回お話しした内容はあくまでもアメリカでのアスレティックトレーナー像がメインですので、日本で活動されている方とは少し違うかもしれません。今後日米の違いなんかも書ければなと思います。

ではまた。