ATC取得へ 出願編
こんにちは。イマザキです。
今回も前回に引き続きATC取得までの道筋をご紹介しようと思います。
前回の記事でもお伝えしましたがATC取得のためには認定プログラムを終了しBOCの試験を受ける必要があります。この認定プログラムは現在では大学院レベルでしか受講することができませんのでこれからATCを取得しようと考えている方はアメリカの大学院に進む必要があります。この認定プログラムに入るためには主に以下のステップを踏みます。
学校探し
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願書提出・面接等・合格発表
↓
I-20取得・ビザ取得
最初にして最も重要なステップ学校探しに関しては前回詳しく書いたのでそちらをご覧ください。
今回は2番目のステップである願書の提出と面接について書こうと思います。
1、アカウント作り
さて学校を調べ、何校か気に入った学校が見つかったら今度は出願に向けて準備をしなければいけません。まずやらなければいけないことはその学校のwebサイト上で出願用のアカウントを作ることと、必要な書類を確認することです。
大抵の学校はWebページのトップに “Admission”という項目があり、そこから学費や出願の締め切りなど各種これから受験しようと思っている人に必要な情報が得られるようになっています。
そしてそのページにほとんどの場合”Apply now”など出願用のページに飛べる項目があり、最初にアカウントの作成を求められます。基本的に必要な書類などはこのアカウントを通して提出することになります。
また同時にInternational Officeに連絡し、留学生に特別に必要な手続きが無いか確認したほうが無難でしょう。
2、書類の準備
アカウントを作ったら次は必要な書類などの準備に入ります。僕が卒業したネブラスカ大学オマハ校では以下の項目が必要でした。
- Transcript (成績表)
- GPA 3.0以上
- Prerequisite Classの修了
- GRE 287点以上
- TOEFL-IBT 80点以上
- ATC保有者の下での25時間以上の実習
- 推薦者の連絡先
- Statement of Purpose (志望動機)
おそらくほかの学校もあまり変わりは無いと思いますが必要書類等はその場所や年度によっても変わるので、参考までに見てもらえばと思います。以下でそれぞれについて大まかに説明します。
2-1、Transcript、GPA、Prerequisite Class
まずTranscript(成績表)についてですがこれはUnofficialとOfficialの二つがあります。これについては自分の所属していた、またはしている大学に聞いてみれば分かるかと思います。一つアドバイスですが将来留学を考えている場合、日本にいるうちに複数枚英語のOfficial Transcriptをもらっておいたほうが良いでしょう。アメリカの大学だとオンラインでもらえますが日本の大学だとまだ対応していないことがあり、郵送で送ってもらう必要があることがあります。
GPAとは成績を表す数値で最高4.0になります。日本の5段階評価を4段階評価にしたような感じです。基本的にTranscript上に記載されています。まだGPAを導入していない大学からアメリカの大学に進学する場合、出願先の大学によって日本の大学の成績をGPAに変換する際の決まりが違います。これに関してはプログラムディレクターとInternational Officeに問い合わせてみるのが良いでしょう。また求められるGPAの数値はその大学によって違います。
Prerequisite ClassとはATプログラムに入る前に終わらせていないといけない授業になります。基本的には解剖学や生理学、バイオメカニクスなどが含まれます。日本の大学の場合、やってる内容は同じなのに変な授業名なことがあります。その場合、授業で配られるレジュメを翻訳しプログラムディレクターに送らなければいけません。学校によってはきちんと翻訳家の照明も必要と言われることもあるようです。(学校がオフィシャルな翻訳版も出してくれるといいのですが、、、)
現在、高校生で将来的にATCの取得を考えている学生が日本の大学進学の際に気にしておいたほうが良い点はこのPrerequisiteの授業だと思います。日本の大学でこのPrerequisiteの授業を全部終えておけばスムーズにアメリカの大学院に進学することができます。
Prerequisiteの授業を全部終えてない場合でも、あくまでこのPrerequisite Classに関してはプログラムディレクターの裁量なので直接聞いてみるのがいいと思います。また、仮に1、2個足りてない場合でも場合によっては入学を認めてもらえることもあります。その場合はATプログラムと並行して足りていない授業を受けることになります。
2-2、GRE、TOEFL
次に必要なのはGREとTOEFLのスコアです。GREとは大学院に進むにあたってアメリカの学生が受けるテストで英語と数学のテストから成ります。このテストは何回でも受けることができるのである程度早い段階で一回受けておくことをお勧めします。(受験料は毎回かかるのでできれば2回以内に合格点を取りたいところです)
余談ですが、このGREの英語のパートは激ムズです。ネイティブの学生と同じテストを受けるわけなので当然といえば当然ですが見たこともない単語のオンパレードです。しかし数学のパートは拍子抜けするほど簡単です。ほとんどのATプログラムの場合、合計のスコアしか必要ないので数学パートを重点的に勉強したほうが良いかなと思います。
また留学生はTOEFLのスコアも必要になります。これも何回でも受けることができる為問題形式に慣れるために早めに一回受けておくことをお勧めします。(GREと同様に受験料が馬鹿にならないので、できれば2回以内に合格点に達したいところです)
両方ともその学校によって求められるスコアが違います。個人的な感覚としてはD1の大学の方が高得点を求められる傾向にあるのかなと思います。またこのスコアはあるに越したことはないのですが、仮に数点足りなくても入学を認めてもらえることもあります。もし書類提出ギリギリでスコアが足りていなくてもダメもとで出してみるのもありでしょう。
2-3、ATC保有者の下での25時間の実習、推薦者の連絡先
ネブラスカ大学オマハ校では出願にあたって、ATC所有者のもとでの実習が求められました。これはプログラムを始める前に実際にアスレティックトレーナーの仕事がどのようなものかを体験してもらおうという狙いがあるようです。
日本の学生の方で周りにATCの有資格者がいない場合取れる方法は主に2つだと思います。1つ目は周りのトレーナー活動をしている人に知り合いがいないか聞いてみるというもの。トレーナー業界は狭い世界なので、おそらく周りにいる方に伺えば誰かしら見つかるとは思います。
2つ目はJapan Athletic Trainer’s Organization (JATO)のホームページから問い合わせてみるという方法です。JATOとは日本人でATCを取得した人で作られている組織で、日本でのアスレティックトレーニングの普及に尽力されています。このJATOのWebサイトにお問い合わせフォームもあるので誰かしら紹介していただけると思います。
また出願にあたって実習とは別に推薦者二人分の連絡先の提出を求められます。こちらはATCでなくともいいので、自分の研究室の教授やお世話になっているトレーナーの方が望ましいでしょう。
絶対連絡するかはその学校に寄りますが必要があれば、メールや電話でプログラムディレクターから連絡がいきます。なのである程度英語が出来る方の方がスムーズかもしれません。また、学校によっては連絡先ではなく推薦状(Letter of Recommendation) を求められることもあります。
2-4、Statement of Purpose
最後にStatement of Purposeです。こちらはなぜアスレティックトレーナーになりたいのかを書きます。日本でいう志望動機というやつです。分量はその学校にもよるかと思いますが大体700文字から1000文字程度だと思います。内容としてはなぜアスレティックトレーナーになりたいのか?将来何がしたいのか?という事を書いていけばいいと思います。これを書く作業は面接のときの受け答えに生きてきます。
またこれに限らずアメリカの小論文やカバーレター等にも言えることですが、内容と同じくらい文法も重要な評価対象に入るという事は頭に入れておいたほうがいいと思います。なので、何回でも英語の先生やネイティブの方、知り合いのATCの方に見せてアドバイスを貰う方が良いでしょう。
3、面接
さて、必要な書類を提出して必要なスコアを満たしたら次は面接の準備です。面接についてですが、ほとんどのケースで留学生はスカイプ上で行う事も出来ます。大体の学校で面接の日に施設等の案内もしてくれるので、実際に現地に行って学校の雰囲気を感じるのもアリだとは思いますが、そこは予算と相談です。スカイプで面接をしたからと言って合否に不利に働くという事はありません。
主に聞かれる質問としては以下のようなことが聞かれます。
- 強みと弱みはどこか?
- 5年後何をしているか?
- 10年後何をしているか?
- なぜアスレティックトレーナーになりたいのか?
ほかにも聞かれることはあると思いますが大体毎年同じなので、そのプログラムの学生とコンタクトが取れると対策を立てやすいでしょう。大体面接の数週間後に合否の連絡があります。
まとめ
具体的なイメージが出来て来ると何をしたらいいか分かり行動に繋がると思うので、今回の記事でなんとなくATプログラムに出願するためにはこういう手順が必要なんだという事がイメージできるようになってもらえたら幸いです。意外と準備しなければいけないことが多いので早めに動きだしたほうが良いですね。
それでは。